標準的がん治療とANK療法の詳細

2023年5月13日



眠らされているNK細胞
高活性NK細胞

1、現在のがん治療構図
早期の現局するがんは切り取ってしまう!完治を目指しています。(ここにANK療法の出番はありません。)         ⇒これで取り切れていない場合には進行がんに類似した構図に(ここはANKの出番!)なります。

進行がんには細胞傷害作用(+ステロイド)の抗がん剤+低分子薬等使用されています。特に細胞傷害作用の抗がん剤は長期間続けていると効果がなくなるもしくは副作用で使えなくなります。また低分子医薬品や免疫・がん免疫に影響及ぼす薬にも、いわゆる副作用、有害事象は生じ得ます。いずれの薬剤も細胞の増殖・分化・維持存続にかかわる作用があるため、正常細胞に影響を及ぼすことがあります。
この場合、徐々に副作用の頻度が少ない薬剤から副作用頻度の多い薬剤へ変更を試すことになりますが、治療目標が延命効果とされています。この辺りで明言されるようになりますが、どこかの時点で使用できる薬剤が無くなり、これ以上体へのダメージは危険となり、細胞・体への負担の大きい治療は中止することを勧められる場面となります。

2、進行がんが問題(治療抵抗性)となる理由

進行がんが問題となる理由には、再発・転移の2つの状況が代表的なものです。
・再発: この時点で完治を狙える治療方法は無く、薬剤、放射線治療等延命を目標にするようになります。再発の主たる理由が”がん幹細胞”であろうことが認識されてきています。
・転移: 再発と同様に完治は不可能で、延命が目標になります。こちらも”がん幹細胞”が大きく関与していると考えられてきています。

ここからは20世紀末より判り始め、21世紀になり判明しだしたこと!です。
がん細胞は正常細胞と大きくは変わりません!!ほんの少しの遺伝・遺伝関連情報の変化から、細胞の作り出すタンパク質・酵素が偏り、細胞機能が変化・変異し癌化していきます。
正常細胞に分化した細胞と幹細胞とがあるように”がん”にも分化した”がん細胞”と”がん幹細胞”とがあります。


3、がん幹細胞 再発と転移の主要因
幹細胞はほとんどの時間冬眠しています。冬眠している細胞には抗がん剤や放射線治療は効果が見られません。また薬剤耐性も誘導しやすい要因と考えられています。

4、NK細胞の特徴
NK細胞は「がん免疫」のメインプレーヤーです。
活性が高ければ、”がん細胞”と正常細胞の区別する機能に優れています。活性が高いNK細胞は、すべての”がん細胞”を攻撃し、分化した”がん細胞”も”がん幹細胞”も攻撃します。(ウィルス感染し、特性の偏移した細胞も攻撃します。)
NK細胞は活性が高くても正常自己細胞は攻撃しません。(これは非常に重要な特性。獲得免疫の機能では不可能です。)
免疫抑制により活性が低下しやすい。(多くの”がん”が免疫抑制をかけています。代表としてTGF‐βなどが挙げられます。薬剤によっても抑制を生じ得ます。)
”がん細胞”との攻防はNK細胞の活性とNK細胞数によります。
高活性のNK細胞を大量に、一度に投与すると大量の”がん細胞”が一時期に破壊され、細胞内の物質が血流に放出され、生体が生命維持できなくなる危険があります。

5、ANK療法の特徴
    ・大量の細胞を準備=採取する細胞数が多い。
    ・活性を高めることと細胞数を増やすという両立した培養を行う。
    ・採取培養した全量を12分割し、一度に大量の”がん細胞”が破壊されない様にする。
12分割により、長期間免疫刺激をすることとなり、抑制された免疫細胞機能を目覚めさせることができます。自分の免疫細胞機能を目覚めさせることができれば、そこがANK療法のゴールとなります。
自分の免疫細胞機能を目覚めさせることができれば、ANK療法終了後も”がん細胞”と”がん幹細胞”への攻撃が持続します。(これは自分の免疫機構が破壊されず、損傷が軽微な場合です。)
ご自身の免疫機構の損傷程度により、ANK療法を繰り返す必要回数が増えていきます。残念なことに、免疫機能の損傷が激しい場合には免疫機能を回復できない場合もあります。

分化した”がん細胞”と”がん幹細胞”を共に攻撃できる方法は現時点でANK療法だけです。
自己のがん免疫機能を目覚めさせ、持ち上げることができる治療方法もANK療法だけです。

6、ANK療法の限界と問題点

ここではANK療法の弱点とも言えることに言及します。
・採取後NK細胞培養に3~4週間必要 細胞培養に時間を要します。  

・種々の薬剤による細胞傷害された後では、NK細胞の高活性を維持しての培養が困難です。細胞培養中に分裂し、細胞数を増やそうとする段階で細胞が壊れてしまうことが増えてしまいます。                        

・一人一人の免疫状態を測定する方法が無いことも問題です。しかし生活行動様式、使用薬剤、社会生活環境等より免疫状態を低下させてしまう条件は解っておりますので、ANK療法の効果を推測するために面談を行う時に詳しい情報を伺う必要があります。

・これまでに類似の治療がなく、また公的医療保険への組み入れができていないため、比較的高額になります。     

次はANK療法 治療の流れへ 

   

Posted by hishinomiclinic